はじめに
金利の長期低下により、預金と融資の金利差を収益の柱としていた銀行は、その収益構造を大きく変える必要がありました。これに伴い、通帳のデジタル化が進み、支店の大幅な削減も進行しています。今回は、通帳に焦点を当て、これらの変化について考えてみたいと思います。
通帳の管理の方法と通帳の使い分け・通帳はいくつがいいか (fromportal.com)
デジタル通帳に切り替えると何が変わる? | E.その他サービス | 一般社団法人 全国銀行協会 (zenginkyo.or.jp)
通帳の保管とデジタル通帳について
通帳の保管について
通帳は、あなたの財産を証明する重要な書類です。紛失や破損を防ぐために、適切な保管方法を心がけましょう。
保管期間
税金申告: 所得税の確定申告では、取引履歴が必要になるため、少なくとも過去3年間分の通帳を保管することが推奨されます。
不動産の売買: 不動産取引時には、資金の流れを証明するため、通帳が必要になることがあります。
ローン申込み: ローンを申し込む際、収入証明として通帳の提示が求められる場合があります。
その他: 大きな買い物や急な事態に備えて、ある程度の期間の通帳を保管しておくと安心です。
保管方法
安全な場所: 盗難や紛失を防ぐために、金庫や鍵付きの引き出しなど、安全な場所で通帳を保管しましょう。
湿気対策: 通帳は紙でできているため、湿気に弱いです。湿気の少ない場所に保管することが大切です。
分散保管: 複数の銀行口座を持っている場合は、通帳を一か所にまとめずに分散して保管するのが望ましいです。
さらに、コピーをしてファイルに閉じるか、ノートに貼って保管するのも良いアイデアです。これにより、万が一通帳が紛失した際でも、コピーを参照して必要な情報を確認できます。
デジタル通帳のメリット・デメリット
近年、多くの銀行がデジタル通帳を導入しています。通帳の制作や管理には相当な費用がかかるため、デジタル化することでコストを削減することができます。しかし、その一方で、セキュリティ対策や顧客の信頼を維持することも重要な課題となります。ここでは、デジタル通帳のメリット・デメリットを比較します。
| 項目 | デジタル通帳 | 普通の通帳 | |
| メリット | 紛失・盗難 | ID/パスワードを管理する。ネット上での盗難 | 紛失・盗難のリスク |
| 記帳の手間 | 不要 | 必要 | |
| 残高確認 | ネット上で常に可 | 記載して通帳を見る | |
| 取引履歴の確認 | 簡単、長期間の履歴も確認可能 | 手間がかかる、古い履歴は確認しにくい | |
| 残高確認 | スマホやパソコンでいつでもどこでも | 記帳は、銀行窓口やATMに限られる | |
| 環境への配慮 | ペーパーレス | 紙を使用 | |
| デメリット | システム障害のリスク | システム障害が発生した場合、利用できない | 物理的な破損のリスク |
| インターネット環境 | 必要 | 不要 | |
| 操作に慣れ | アプリやWebサービスの操作に慣れる必要がある | 不要 | |
| 相続手続き | デジタルデータの相続手続きが必要 | 口座を移転する手続き | |
| 保存期間 | 銀行によって保存期間が異なる | 永久保存可能 | |
まとめ
通帳の保管期間や方法は、個人の状況によって異なります。デジタル通帳は便利な一方で、デメリットも存在します。ご自身の状況に合わせて、最適な方法を選択しましょう。
どちらを選ぶか迷っている場合は、以下の点を考慮してみてください。
頻度: どのくらいの頻度で通帳を確認するか。
安全性: セキュリティ面を重視するかどうか。
環境: 環境への配慮をしたいかどうか。
ITリテラシー: IT機器の操作に慣れているかどうか。
銀行の窓口で相談する
どちらの方法が自分に合っているか分からない場合は、一度、利用している銀行の窓口で相談することをおすすめします。担当者に直接質問できるため、自分の状況に合ったアドバイスを受けることができます。
ただし、銀行の職員は銀行側のメリットを主に考えている場合が多いことも覚えておきましょう。相談の際は、自分のニーズや目的に基づいて冷静に判断することが大切です。
その他
休眠預金: 長い間取引がない口座は、休眠預金になる場合があります。休眠預金になっても、手続きをすることでお金を引き出すことができます。
相続: ご家族の方が亡くなられた場合、相続手続きが必要になります。通帳も相続の対象となるため、手続きについて銀行にご相談ください。
ご自身の状況に合わせて、適切な対処法を見つけてくださいね。
